かもめ島野鳥観察記録_観察記録顛末記_9

  1. TOP
  2. 観察記録顛末記
  3. 第9回 かもめ島に来る意外な淡水系の野鳥

第9回 かもめ島に来る意外な淡水系の野鳥



 鴎島の観察の中では、渡り鳥として様々な森林性の野鳥を見ることはありましたが、いくつかの淡水系の野鳥も渡りの中継地として利用していることがわかりました。やはり、内陸性の野鳥であっても、陸地を移動するよりも海上を移動する方が消費エネルギーが効率的で、危険が少ないことなどを経験や遺伝的な行動から把握しているのかと思います。

ckawasemi.png

カワセミ

 その中で、ヤマセミは、河川の中流域より上流で繁殖することが多く、主に山の中で見ることがほとんどであるはずなのに、鴎島で渡りの時期と思われる頃に複数回確認をしています。

 山の中では、木々の間を猛スピードで抜けていく姿を見ていましたが、海上で見たヤマセミは、ふわふわと飛び、ハヤブサに狙われる恰好の餌状態でした。相手によけさせる障害物がないので、ただただ真っ直ぐ逃げるだけで、上空から何度もハヤブサに襲われ、そのたびに海中に少し潜っては、攻撃を避けていましたが、へとへとになったヤマセミを見たのは、それが初めてでした。何とか逃げ切ったように見ましたが、その後に、島に訪れたヤマセミも同じ目に遭っていました。

 ヤマセミの仲間のカワセミも同様でした。ただこちらは、目の前であえなくハヤブサの餌食となり、岩場で青い羽根をバリバリとむしられていました。カワセミは愛宕の豊部内川で繁殖しているようで、若鳥が河口まで来て、餌の魚を探していました。河口からすぐ川の両岸がコンクリートの練積ブロックで固められた壁となっており、若鳥は、何かあればその狭い曲がりくねった水路を縫うように逃げられるようで、ここのカワセミは割と悠然としていました。一方で、鴎島にいたカワセミは、やっかいなところに来てしまったという感じがひしひしと伝わってきて、挙動不審な落ち着きのなさが、ハヤブサの怖さを裏返しで伝えてきました。

cmisosazai.png

ミソサザイ

 淡水系というわけでもないのですが、山の沢筋で大きな元気な声を上げるミソサザイが秋から冬にかけよく鴎島に渡ってきていました。ハヤブサもあの小さな体に肉はついていないのがわかっているのか、島内の林の中でよく見かけることがありました。さえずっているのを聞いたのは、2月下旬頃の1回きりで、それ以外は、ウグイスと間違えるチャッチャッという地鳴きでした。最初はウグイスと間違えて、声を追っても姿が見えず、黒い枯れ葉のようなものが動き、ようやく声の正体がミソサザイであることがわかりました。

 このほか、淡水ガモが結構海を利用していることを知ることができました。マガモ、ハシビロガモ、オナガガモ、カルガモ、コガモ、オシドリ、ヒドリガモが鴎島周辺で見られましたが、特にヒドリガモ、マガモ、カルガモは積極的に海を利用していて、海藻などを主に食べていました。飲んだ海水をどのように排出していたのかは興味ありますが、少なくとも鼻から塩水を飛ばすのは見たことがありませんでした。特にヒドリガモは居心地がよいのか、秋から冬にかけては、愛宕の消波ブロックに100羽近くが集まることもありました。オシドリは、何を食べていたのかはわかりませんが、海岸の岩場にきて休んでいる姿はとても違和感がありました。ハシビロガモは、マガモの群れに混ざって、まるで仲間のように振る舞っていました。でも積極的に海水に嘴をつける様子は見られず、塩水が苦手なのかを感じさせられました。



pagetop.png

カテゴリー

page top