第1回 はじめに

ツグミ
私の出身は内地で、これまで52年の人生の半分以上が本州での生活でした。その後、再就職で北海道にお世話になり始め、転勤で平成25年4月から平成28年3月までの間、檜山管内の江差町に住むこととなりました。
私事ですが、私が野鳥を見始めたのは小学校の時、住んでいた集合団地の庭先にツグミを見て、スズメでもないカラスでもない変わった野鳥がいると気づいたことが発端だったように思います。
その後、小6の時、東京の井の頭公園での探鳥会に初めて参加し、本格的に野鳥を見始めました。
高校時代には、神奈川県横浜市の鶴見川のほとりにある校舎から、昼休みを使い、毎日のように双眼鏡で野鳥観察をしていました。セッカやコアジサシなど、今となっては北海道ではなかなか見られないものがいたことを思い出します。これが、日々同じ場所で観察記録を採った最初の取組でした。
その後大学に進学し、野鳥研究会のサークルに所属し、全国に野鳥を見に行くようになりました。この頃は、珍鳥が出たという情報があれば、仲間と出向き見に行くという感じで、じっくり同じ場所で野鳥を観察することはなくなりました。就職後は、他の趣味もあり野鳥を見る機会もめっきり減っていました。
それから25年、時々思い出したように野鳥を見に行くことはありましたが、江差町には単身赴任で来たことから自宅からも遠く、なかなか自宅に帰ることができなくなりました。このため、時間に余裕ができたこともあり、せっかくだから何かしよう(時間つぶしに)と思い、双眼鏡を片手に再び野鳥観察を始めました。自宅に自家用車をおいてきたため、単身赴任先の住宅からは、自転車か徒歩の範囲で行動できる場所を、最初は適当に野鳥を見ながら記録も取らずブラブラしていました。

ハヤブサ
ちょうど赴任後1ヶ月目くらいの日曜日に、ふと立ち寄った鴎島で、まずトラツグミがツグミやほかの森林性の野鳥と芝生の上で餌を採っているのを見ました。またその後、海岸の岩場ではキアシシギが餌をついばみ、崖のそばではハヤブサがけたたましく、カラスに向け警戒の声を上げるのを確認しました。最後に突堤の先の海上で、黄色の飾り羽根が付いたハジロカイツブリが、真っ赤な目をしてこちらをにらんでいるのを見て、「ここはおもしろいぞ」と感じました。
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