ヒグマ被害防除対策について
人の生活圏へのヒグマの出没は、人々の暮らしに不安を与えます。また、ヒグマによる農作物などへの被害は、営農上の大きな問題となります。
人家近くでの出没や農作物などに被害が出た場合、もしヒグマが捕獲されたとしても、ヒグマを引きつける原因が残っていれば、別のヒグマが再び出没し、被害を与える可能性があります。
これで完全という出没・被害対策は見つかっていませんが、ここでは被害防除の効果が確認されている予防策についていくつかご紹介します。
対策の紹介
誘引物の除去
ヒグマが人家近くに出没する場合で、特に気をつけなければならないのは、ヒグマの食物となり得るものの存在です。
ヒグマは食物を手に入れるため何度も人家近くに出没する可能性があります。
新たな農作物への被害の発生を抑えるためには、ヒグマに農作物の味をおぼえさせないことも対策のひとつとなります。
ヒグマをひきつけているものはありませんか?
生ゴミや生ものをいれたコンポストなどは、食物としてヒグマを誘引する可能性が高いため、管理には注意が必要です。
コンポストには魚介類や肉類など強い臭いを発する生ものを入れないことや、生ゴミを野外に放置しないようにすることなど、工夫してみましょう。道端に放置された生ゴミが、ヒグマを人家近くへ誘引する原因になることもあります。
ヒグマに味を覚えさせない
ヒグマの好むトウモロコシ類やニンジンなどの未収穫物を畑に残したり、出荷しない「はねもの」を放置することは、不用意にヒグマに農作物の味をおぼえさせることにつながります。
新たなヒグマの被害を防ぐため、未収穫物や「はねもの」の適切な処理を心がけましょう。
刈り払い
ほとんどのヒグマは、人と出会わないよう用心して行動しています。ですから、ヒグマが移動する際は、常に身をかくすための林やブッシュ(やぶ)のある場所を選ぶ傾向があります。
そこで、刈払いを行うことにより、ヒグマの出没を抑制する効果が期待できます。また、見通しがよくなることで多少の安心感も得られます。
雑草が生い茂り見通しが悪い畑・人家裏などに出没があったときは、刈り払いで見通しを確保してみましょう。
刈り払いの考え方
●刈り払い前
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道路・農地 ヒグマが侵入しやすく、 出没・被害が発生しやすい |
すぐ側までヒグマの隠れる藪などがあるため、人とヒグマが至近距離で遭遇する可能性が高いです。
●刈り払い後
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緩 衝 地 帯 |
道路・農地 緩衝地帯があるため、 ヒグマが出没しにくい |
刈り払いを行い緩衝地帯ができると、見通しがよくなり、人とヒグマが至近距離で遭遇する機会を減らすことができます。
電気柵の設置
電気柵はワイヤーに電気を通した柵です。ワイヤーに触れた際に電気によるショック(衝撃)を受けます。
この衝撃をヒグマにおぼえさせることで、柵内へのヒグマの侵入を防止し、被害を受けていた作物などを守ることができます。
さらに、電気柵により食物を得られなくなったヒグマが、その場所に出没しなくなることも期待できます。
ヒグマへの効果
およそ6,000~9,000ボルトの高圧の電気をワイヤーに流すので、それに触れたときの衝撃は相当なものです。ヒグマが畑などに近づきワイヤーに触れた際には、ヒグマを撃退するのに十分な衝撃を与えることができます。
なお、ワイヤーに流れる電気は、高電圧ですが電流は小さく、人が触れても家庭用のコンセントで起こるような感電の危険はありません。ただし、大きな衝撃があるものなので、誤って触れることのないよう危険表示板などの設置が必要です。
必要な資材
ヒグマ用の一般的な電気柵は、高圧の電気を発生させる電気柵器、電源となるバッテリー、アース、電気の通るワイヤーとそれを支える支柱が必要です。その他、必要に応じ危険表示板や出入口用取っ手などを用意します。
電気柵の設置方法など
電気柵設置方法について詳しくは、電気柵のページをご覧ください。
お問い合わせ先
北海道檜山振興局保健環境部環境生活課内
ヒグマ被害防除相談窓口
TEL 0139-52-6494(ダイヤルイン)
FAX 0139-52-5783
E-mail hiyama.kankyodo@pref.hokkaido.lg.jp