地域材とは?
地域材とは、近い地域で生産された木材のことで、国をはじめ様々な自治体で積極的に活用しようと取組を行っています。
中でも、地域で産出された木材を地域で活用することを「地材地消(ちざいちしょう)」といい、地域の林業をはじめとした産業の活性化やSDGs達成への大きな貢献になるとして、期待されています。
北海道でも、「HOKKAIDO WOOD」という道産木材製品のブランドを活用し利用の促進に向けた取組を進めています。
HOKKAIDO WOOD
「HOKKAIDO WOOD」は、道産木材製品の旗印として令和元年に誕生したブランド名称です。
令和6年3月時点で、300者以上がメンバー登録し、ロゴマークを活用して普及の取組を行っています。
HOKKAIDO WOODは、「北海道生まれ」の木材製品のブランド名称です。
豊かで広大な北海道の森林から生まれた木材製品の魅力をたくさんの人に知ってもらいたい。
そのような想いで、このブランドは生まれました。
北海道の「北」という漢字を木の「幹」と「枝」に見立てたマークです。
木を中央で縦に割ることで、「製材している」ことも表現しています。
木材を建物に使うことでこんな効果が!
最近、木材を内装に活用している建築物がふえています。
カフェ・ホテル・公共施設・・・と、その用途は様々です。
なぜでしょうか?
それは木材が持つ多くの魅力と効果が判明してきているのも要因の一つかもしれません。
ここでは、内装を木質化したことによる科学的なデータの一例として概要を整理したものを掲載しています。
あなたの働く職場でも「木質化」してみませんか?
○心理面での効果
リラックス・癒やし・愛着心・心地よい・
落ち着く・モチベーション、積極性を高める
○身体面の効果
免疫力アップ・リフレッシュ・疲労感緩和・
良い眠りを引き出す
○衛生面での効果
温度、湿度の調整機能・ダニ防除・
消臭や抗菌の効果
○学習・生育面の効果
子どもの集中力を高める効果
自然を知る、学ぶ
○生産性・経済面の効果
作業性、業務効率向上・労働者不足解消
来訪者を増やす、滞在時間を延ばす
○企業価値向上の効果
企業等のブランド力アップ・
理念のPR効果
○社会貢献する効果
地域材のPR・地球環境保全に貢献・
地域経済に対する波及効果
HOKKAIDO WOOD BUILDING
HOKKAIDO WOOD BUILDINGとは、北海道において、道産木材を使用した建築物を登録する制度です。
建築物の木造化、木質化を推進することで道産木材の利用拡大に資することを目的に、施設内に木製の登録証を掲示することなどを通じ、道民に道産木材の魅力を発信しています。
2024年7月現在、全道各地に69件が登録。
登録施設については、下記のリンクよりホームページを確認してください。
檜山管内のHOKKAIDO WOOD BUILDING
檜山管内では、2件の登録があります。
両方の建築物は檜山管内の木材をふんだんに使用しており、温かみのある外観が特徴の施設となっています。
コミュニティプラザえさし(愛称:エコー)
江戸時代から続く江差町の「賑わい継承拠点」として整備された当施設は、自由に活用できるフリースペースなど老若男女様々な人が活用できる場となっております。
外装や内装に道南スギを使用しており、1階中庭ホールに配置された江差町産道南スギで作られた家具は、森林環境譲与税を活用しています。
奥尻町総合庁舎
築64年となり、老朽化が激しかった旧庁舎から生まれ変わった新庁舎です。
無柱の大空間ワンフロア化により、業務効率化や開放感の演出など、様々な工夫が凝らされています。
道産カラマツ集成材を構造に使用しているほか、外壁や内装に奥尻産トドマツをふんだんに使用している建築物です。
檜山管内の木造公共施設の紹介
まちなか交流センター (H24)
住所
厚沢部町本町97番地
使用している樹種
スギ・トドマツ・カラマツ・ナラ
カラマツの大断面集成材を使用し、木質2方向ラーメン構造を採用しています。
これにより、約130m2の広いコミュニティホールを、室内に柱を置かず設置することができ、大人数を収容することが可能となりました。
床フローリングにはナラ材を使い、木造建築物の良さを全面に出した施設となっています。
ゆいま~る厚沢部 (H24)
住所
厚沢部町新町115番地
使用している樹種
スギ・トドマツ・カラマツ・ナラ
構造材はトドマツ集成材を主に利用しており、プレカット工場から納品することにより、工事期間の縮減を図ることができました。
床フローリングをカラマツとするなど、内外装材にも地域材を多く使用しており、木の温かみを感じることができる老人ホームとなっています。
医師駐在センター (H24)
住所
厚沢部町新町115番地
使用している樹種
スギ・トドマツ
1階部分は、暖房や給湯、調理器具を全て電気(ヒートポンプなど)としており、防火上の制約も少ないことから、内装材にスギをふんだんに使用しています。
外装にもスギを利用しており、構造材はトドマツとなっています。
かもめ島遊歩道安全柵 (H25)
住所
江差町鴎島
使用している樹種
カラマツ
江差町の観光地である「かもめ島」に整備されている安全木柵。
剥皮したカラマツ丸太を利用することで素材の風合いを生かしており、自然景観に溶け込むように配慮しています。
「風景と一体化しており、違和感がなく、安心して観光を楽しめる」と利用者の声もあります。
乙部町公園木柵 (H25)
住所
乙部町字元町ほか
使用している樹種
スギ・カラマツ
「宮の森公園」、「館浦温泉公園」、「元和緑地広場」の各公園施設に整備されている安全木柵。
地域の材を使用し、公園利用者の安全を確保することによって、利用者が安心してくつろげる憩いの場となっています。
自然と一体化しており、違和感がないため、リラックスして公園を楽しめます。
当路ふれあいセンター (H25)
住所
厚沢部町字当路
使用している樹種
スギ・トドマツ・カラマツ
主に厚沢部町当路地区の集会施設として活用。
地域材をふんだんに活用、木材の温かみを感じることができる造りになっており、地域材活用のPR効果が期待されています。
また、幅広い年齢層が利用できるようバリアフリー化を行い、身障者・高齢者にとっても利用しやすいものとなっております。
光林荘 (H26)
住所
乙部町字館浦
使用いている樹種
スギ・トドマツ・カラマツ・ヒバ
構造材の他、内装にも地域材を取り入れ、「木材のぬくもりを感じるやさしい空間」、「地域材利用による可能性」を設計主旨として、在来工法によって施工されました。
伝統的な和風小屋組みによる大空間においては、木材の梁や小屋束を露出させ、木材の力強さと美しさの表現を取り入れています。
千岱野ふるさと館 (H26)
住所
乙部町字姫川
使用いている樹種
スギ・トドマツ・カラマツ・ヒバ
地域材をふんだんに利用した施設で、地域住民の文化交流や研修の場などを通じて、木材の良さを広くPRし、地域材の需要拡大を図ることを目的とした集会施設。
構造材はもとより、内装にも地域材を取り入れ、木のぬくもりを感じられるやさしい空間としており、更に、構造については在来工法を採用し、地域雇用の場にも配慮しています。
町立国保病院大成診療所 (H26)
住所
上ノ国町字石崎
使用いている樹種
スギ・トドマツ
大成地区の地域医療の拠点として、地域材を活用し、木のぬくもりと暖かみが感じられ、診療者が心を落ちつかせて通院できる施設として建設。
外観は屋根を低くして圧迫感を軽減し、外壁は比較的腐朽に強く狂いが少ない材質の道南杉の板張りを採用して周辺との調和を図っています。
施設はバリアフリー化を行い、病身者・高齢者にとっても利用しやすい施設となっております。
石崎地区集会施設 (H27)
住所
上ノ国町字石崎
使用いている樹種
スギ・トドマツ
海岸に面した石崎地区の避難所及び地域住民のコミュニティーセンターとして建設。
地域にある「トドマツ」と「道南スギ」をふんだんに利用し、木のぬくもりが感じられる景観に配慮した木造の施設。
トドマツの集成材を梁、柱の構造材に利用しており、内外装には道南スギをふんだんに利用し、北海道発祥の地として知られる上ノ国町の景観にマッチしたデザインとなっています。
南館・城丘ふれあいセンター (H27)
住所
厚沢部町南館町
使用いている樹種
スギ・トドマツ・カラマツ
住民福祉の向上及び地域コミュニティの活性化を目的とした集会施設であり、地域材をふんだんに利用した木のあたたかみが感じられる施設。
地域の業者が施工可能な木造在来工法としました。
土台、柱、梁にはカラマツの集成材を利用しており、そのほか下地材等にトドマツを利用しております。また、外装には腐朽に強い道南スギを利用している。
上里ふれあい交流センター (H28)
住所
厚沢部町字上里92番地
使用いている樹種
スギ・トドマツ・カラマツ・ヒバ
来館者に木材のやさしさやあたたかみを感じてもらい、森林資源の大切さや循環利用を普及PRできる多目的利用施設として建設。
給湯及び暖房については木質バイオマスボイラーを使用。
木造在来工法に道南スギのCLT材(壁・床)を活用。土台、柱、梁にはカラマツの集成材を使用しており、そのほか下地材等にトドマツを使用
し、外装にも道南スギを使用しています。
厚沢部町認定こども園 (H30)
住所
厚沢部町赤沼町
使用いている樹種
スギ・トドマツ・カラマツ
構造材等は全て厚沢部町内の山林から伐採されたトドマツ、カラマツ、スギを使用。
八雲町の集成材工場、森町のプレカット工場にて加工を行い、道南域内の連携対策を構築し、域内経済を循環させるとともに、地材地消を実現。
環境教育の一環としてペレットストーブを採用。地元のペレット燃料を用いて地元資源の活用につなげ、身近な循環サイクルをこどもたちに伝えています。