令和5年度渡島・檜山食育推進セミナーを開催しました

 食品ロス問題や高齢化率の上昇など、食をめぐる社会情勢が変化する一方で、食に関する課題は短期間に解決することが難しいため、多様な関係者が連携し、継続的に取り組むことが重要です。
 今後の食育活動をより一層効果的なものとしていくため、渡島・檜山の食育推進ネットワーク主催で当セミナーを開催し、食育活動の専門家による講演と実践者による事例発表、意見交換を行いました。

開催日時・場所及び参加者

1 開催日時 令和6年(2024年)1月29日(月) 13時30分~15時50分
2 開催場所 北斗市農業振興センター(北斗市東前74-2)
3 参加者  渡島・檜山の食育推進ネットワーク会員11名、講師・事例発表者3名、事務局5名

IMG_2884

内 容

事例発表「ふっくりんこを始めとする食育授業について」

IMG_2883

 新函館農業協同組合生産販売部米穀畑作課の堤元貴主査から、北斗市の小学校での「地元の食材を好きになってもらう」「実際に触れてもらう」食育授業や、函館大妻高校食物健康課の生徒による田植え・稲刈り・精米・調理までの取組などを説明いただきました。

事例発表「"裸足で田んぼに入っちゃえ"田植え体験」

image_50395137

 乙部町のR's Farm・三上良介代表から、田植え体験会をインスタグラムやフェイスブックなどのSNSで告知したところ、地元乙部町のほか、江差町や函館市からも参加があったこと、8月に田んぼで生き物観察会を行ったことを発表いただきました。
 また、「米農家を身近に感じ、気軽に交流できる米農家」をめざし、フードトラック(キッチンカー)・音楽イベント・地域活性化イベント等にも取り組んでいることも発表いただきました。

講演「親から子へ 愛情のある食育指導」

IMG_2889

北海道栄養士会函館支部の木幡恵子支部長から「食べることの大切さ」「乳和食の取組」について、次のとおり講演いただきました。
○ 「食育」とは、栄養補給のみではなく、①自分で作れるか ②食べることの大切さ③一緒に食べる人 ④食事が楽しいか も含まれます。子どもの生きる力を養うことを「食育」といい、大人の責任として子どもに伝える必要がある。食べることの大切さは、大人から子どもへ引き継がれるもので、最初のプレゼントでもあります。
○ 日本人が好んで食べる伝統的な食事である和食は、米飯を主食に、主菜や副菜に魚介類や野菜類を多く使い、脂肪分も少ない一方で、醤油や味噌などの保存性の高い発酵調味料が多く使われており、現代日本人にとっては食塩が多いことも特徴です。極めて深刻な問題である「高血圧」の大きな原因として食塩の過剰摂取があるため、高血圧予防・高血圧症の治療の点から、減塩食が奨励されています。
○ そこで、味噌や醤油などの伝統的調味料に「コク味」や「旨味」を有している牛乳を組み合わせることで、食材本来の風味や特徴を損なわずに食塩や出汁を減らし、美味しく和食を食べてもらう調理法として近年推奨されています。
○ 乳和食については全国規模で取り組まれており、北海道栄養士会函館支部でも取り組んでいます。函館市立戸井学園(小中一貫校)の5・6年生を対象に、本年1月12日に高齢者の栄養についてお話しをするとともに、カッテージチーズ・サンドウィッチ、減塩ミルク味噌汁を作りました。

意見交換

IMG_2892

 参加者が日頃の食育活動で感じる課題等を解消できるように、講師及び事例発表者と意見交換を行いました。参加者からの「子どもはタマネギが嫌い。好き嫌いをなくすにはどうしたらよいか。」「『子ども食堂』がクローズアップされた背景は何か。」「行政機関としてこれまで食育に関して健康づくりを始め色々取り組んできたが、関心のない人をどう取り込んでいくのか苦慮しているので、アドバイスを伺いたい。」等の質問について、講師及び事例発表者から意見をいただきました。

カテゴリー

農務課のカテゴリ

cc-by

page top