どうなん農業新法人 厚沢部町 (株)佐藤農園

2025年7月に厚沢部町で設立された(株)佐藤農園の、佐藤龍也代表取締役にお話を伺いました。

佐藤龍也代表取締役

会社の概要について教えてください。

家族を中心に経営を行っており、外国人労働者2名を雇用しています。主な作付は、春小麦20ヘクタール、秋小麦約40ヘクタール、大豆が約30ヘクタール、かぼちゃが約30ヘクタール、種子馬鈴薯が約7ヘクタール、サツマイモが約4ヘクタール、ビートが約4ヘクタールとなっています。

法人化のきっかけを教えていただけますか?

法人化を決めた理由は大きく三つあります。

一つ目は、規模拡大に伴う税金の問題です。面積が増え、収入が増える中で、個人経営のままでは税負担が重くなり、限界を感じるようになりました。

二つ目は人の問題です。これまでは収穫期に近所の方が手伝いに来てくれていましたが、高齢化により、そうした形が難しくなりました。今後は、社員として人を雇い、継続的に働いてもらう体制が必要だと考えるようになりました。

三つ目は販売先との関係です。多くの取引先がある中で、個人よりも法人の方が相手に安心感を持ってもらいやすく、会社対会社の関係が築きやすいと感じました。

経営の特徴を教えて下さい

作物ごとに出荷先を整理している点が特徴だと思います。

かぼちゃやサツマイモについては、収穫したものをコンテナに詰めて、そのまま出荷できる仕組みとなっており、選別や箱詰め作業を省略できています。作業負担が軽くなった点は大きいと感じています。

法人化したことで、どのような変化がありましたか?

経営内容そのものは大きく変わっていませんが、経理や書類の様式が、個人経営とは大きく変わりました。法人としての処理が必要になり、経営管理の面では対応に苦労している部分もあります。

地域での活躍について教えて下さい。

環境保全会の代表を務めており、水路の草刈りや農道整備、支障木の伐採など、地域の維持に関わる活動を行っています。地区内では高齢化が進み、担い手が少ないため、こうした作業も重要だと考えています。

日々の忙しい経営の中で、どのようにリフレッシュされていますか?

仕事が少なくなる冬場には、スノーモービルに乗って楽しんでいます。近隣の農家仲間と一緒に山に入ることもありますが、近年は雪の状況やクマの動きが気になるため、あまり無理はしないようにしています。

今後、どのような方向性や目標をお考えですか。

今後も、地区の状況を踏まえると、経営面積は増えていく可能性が高いと考えています。面積が拡大すれば、オペレーターの確保や育成が必要となるため、人材育成は今後の重要な課題です。

また、将来的には息子への経営移譲も視野に入れています。できるだけ早いうちに引き継ぎたいという思いはありますが、まだ時間はあると考えており、段階的に進めていくつもりです。

当面は、現在の作付体系を維持しながら、規模拡大に対応していく考えです。その一方で、新しい技術についても検討していきたいと考えています。なかでも、節水型乾田直播水稲栽培に関心を持っており、畑作と機械体系を共通化できるのであれば、取り組む価値があると感じています。

法人化を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。

正直なところ、「もう数年早く法人化していればよかった」と思う面があります。法人化の検討は、できるだけ早い段階から進めていくことを勧めたいです。

若い世代の積極的な取り組みに期待しています。

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