海外渡航時の予防接種
海外旅行をする場合、旅行先によっては、予防接種の必要な国があります。 予防接種の種類によっては、ある程度期間が必要な場合もありますので、早めに確認してください。 |
国際検疫法で(渡航先によっては)強制的に要求される予防接種は、現在、「黄熱」だけです。 道内では、小樽検疫所、千歳空港検疫所支所でこの予防接種が受けられます(事前予約が必要です)。 黄熱ワクチンは、接種後10日してから効力を発揮し、その効果は約10年間持続するといわれているので、必要時には早めに接種をしておくことが重要です。ワクチン接種の必要な地域は、おおむね中南米とアフリカ大陸であり、赤道を挟んで南北に約20度前後の地域です。ワクチンを接種したことを証明する書類は、通称、イエローカードと呼ばれています。 予防接種を要求される国かどうかの詳細は、出発前に確認しておく必要があります。 一方、黄熱以外のワクチンは個人の必要性に応じて接種するものです。破傷風、A型肝炎、狂犬病、日本脳炎、麻疹、風疹、ジフテリア、ポリオ、腸チフス、流行性髄膜炎などが推奨される予防接種ですが、自身の予防接種歴や職業、渡航先の衛生状態や流行に合わせて、何をいつ接種するべきか考えることが大切です。 小児では、普通小児期に行う予防接種を全て完了しておくことが大切です。 アフリカなどの熱帯、亜熱帯地方に旅行する場合、マラリアには細心の注意を払わねばなりません。熱帯性マラリア(悪性マラリア)は、時に生命にかかわる病気であり、その予防薬も完全に発病を防ぐものとなっていません。また、重大な副反応を示す場合もあります。小児はマラリア流行地への旅行はさけるべきだとの意見もあります。ワクチン接種の必要性など、渡航先による個別の事例については専門機関に問い合せて、旅行の出発前に予防接種のスケジュールを作成しておくのが良いでしょう。 |
予防接種に関するお問い合わせ お住まいの役場・保健センターまたは、かかりつけ医等にお尋ねください。 |
★小樽検疫所北海道小樽市港町5-2(小樽地方合同庁舎1階) ★千歳空港検疫所支所北海道千歳市美々(新千歳空港内) TEL 0134-23-4162
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1 経口感染症の予防 | |
(1) | ホテルなどの蛇口から出る水道水(生水)は、そのまま飲まない。飲料水は事前に沸騰させるか消毒剤を入れて使用するほか、市販のミネラル・ウォーターを利用する。 |
(2) | アイスクリームや氷入りのジュース、水割りなどを飲まない。 |
(3) | ミネラル・ウォーターや缶ジュース、炭酸の入った飲み物については、栓が空いていないか、飲む前にチェックする。 |
(4) | 魚介類、肉は、生で食べない。調理後時間のたったものについても食べない。 |
(5) | 野菜についても生で食べず、火の通ったものを食べる。 |
(6) | 果物については、皮がついたものを自分で剥いて食べる。 |
2 経皮感染症の予防(蚊、動物、水、土から感染する) | |
(1) | 皮膚の露出の少ない服装を着用する。露出部分には防虫(虫よけ)スプレー等の使用を心がける。 |
(2) | 就寝時は蚊帳を吊り、穴があいていないか注意するとともに、蚊帳に殺虫剤等を噴霧する。 |
(3) | 窓は網戸を閉めた状態にするほか、穴があいていないか注意する。 |
(4) | 犬、猫、野生動物などに、むやみに近寄らない。 |
(5) | 外傷を受けないよう注意し、外傷を受けたらすぐに消毒するなど傷の処置を行う。 |
3 性感染症の予防 | |
(1) | 不特定の人との性行為を避ける。 |
(2) | コンドームを正しく使用する。 |
4 下痢症状への対応 | |
(1) | 下痢による脱水症状を避けるため、清潔で安全な方法で水分を補給するよう心がける。 |
(2) | 下痢が一日以上続くような場合には、適量の砂糖や食塩を溶かした経口補液剤を補給するよう心がけ、三日以上の下痢や水様便、血便が見られるような場合には、医療機関を受診する。 |
5 その他 海外渡航時には国内とは異なり、時差や気温の変化、天候の違い、長時間の旅行などにより、心身に大きなストレスがかかり、思いも寄らぬ健康上のトラブルを起こすことがあるので、次のことについても留意する必要があります。 |
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(1) | 体調が悪いと抵抗力や集中力が落ち、病気や怪我をしやすくなるので、渡航前から体調を整えておく。 |
(2) | 心臓病や腎臓病、糖尿病などで普段から服薬されている人は薬を持参するとともに、主治医から、事前に診断書と薬の処方量を英語で書いてもらっておくと便利。 |
(3) | 外国で医療を受けると高額になることが一般的であり、海外旅行者保険へ事前に加入しておく方法がある。 |
(4) | 虫歯の治療については、海外旅行保険もきかない場合が多く、高額の医療費が必要になる。 |
(5) | 帰国後に下痢や発熱等の病気を疑わせる症状があれば、すぐに医療機関を受診し、渡航先など旅行の詳細について相談する。 |
※渡航先の地域別注意事項 |
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近年、海外渡航者の増加に加え、渡航地の多様化などにより、これまでには考えられなかった様々な感染症や風土病に感染する危険性が高くなってきている。 世界の情勢は刻一刻変っており、最新の海外の感染症情報には常に注意を払う必要があります。 |
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★関連情報 海外感染症情報(FORTH) http://www.forth.go.jp/ |